中国NIKA archeryのカーボンリム、「N3 PROGRESS」です。これは、一般的なリムが素材を貼り合わせたラミネート構造であるのに対し、コア素材をカーボンファイバーでくるみ、圧縮成形したもので、フランスのUUKHAと同様の構造をしています。N3 PROGRESSのカーボン繊維の素材含量は55%となっていて、UUKHAのSX50よりも5%カーボン繊維が多いにもかかわらず、UUKHA製品よりも安価になっています。

　圧縮成形であるため、貼り合わせによる継ぎ目等は一切ありません。コア素材はグラスファイバー芯に単方向カーボン(UDカーボン)を組み合わせたものが使用されているようです。

　リム幅は、一般的なものより細身で、リム先端部ではその細さが顕著です。

　当然、リムチップも一体成型であり、サイズ的にも既存のリムより小型になりますので、旧来のストリンガーは使用できない可能性もあります。そのため、近年、普及が進んでいる、リムのリカーブ部分に掛けるタイプのストリンガーを用意する必要があると思います。

　メーカーによると、一般的なリムに比較してエネルギー効率は4%程度優位であり、40ポンドのリムで約3ポンド程度のゲインがあるとしています。

　欧州系の一部のリムは、リカーブ部分が極端に反り返っているものもありますが、N3 PROGRESSはそこまで極端ではないものの、一般的なリムよりもやや深いリカーブ構造を採用しているようです。

　往年のWIN&WIN社WINEXのリムの上に、N3 PROGRESSを重ねてみましたが、このように隙間ができました。緩やかですが、一般的なリムよりもリカーブの曲がり方が大きくなっています。