リカーブボウ  リカーブサイト  DECUT DC-RE

 Decut社のサイトでは、基本的にグレードを3クラスに分け、もっとも上級のものをHONOR、ミドルグレードをDC、ベーシックグレードをBASHAとしているようです。さらにリカーブ用にRE、コンパウンド用にCPのイニシャルを入れ、エクステンションバーの素材の違いでアルミ製はAxx、カーボン製はCxxとしているようです。

 今回入手したサイトは、上記の基準に従えばBASHA-AREとなるはずなのですが、エクステンションのプリントはDC-REとなっています。なんとも統一感がないのは中国製アーチェリー用品の特徴といったところです。ちなみに外箱のパッケージ写真はDC-AREのものになっていましたが、すべてのモデルで箱を共用しているのかもしれないので、何とも言えないところです。


 オレンジ色のハンドルライザーTopoint UNISONの入手に合わせて、オレンジ色のサイトにしたわけですが、DECUT社のカタログにはオレンジ色のカラーバリエーションは存在しないことになっています。このへんの予想外の部分についても中国製アーチェリー用品を見ていて楽しいところです。

 サイトレールの構造は非常にシンプルで、サイトレールの溝にサイトブロックを差し込んでねじ止めするだけです。サイトの上下移動は、固定ネジを少し緩め、手動で目盛りを見ながら動かすという、いわゆる入門者向けサイトの操作方法と同じです。しかし、加工精度がしっかりしているため、がたつきもなく固定は確実で、実用的です。安価なCartel製より価格的にも品質的にも確実に上回っているのではないでしょうか。


 サイトブロックは、固定ネジを外すことで、簡単にサイトレールから分離することができます。サイトレールとの嵌合部分には樹脂製パーツが埋め込まれ、振動を発生させない丁寧な造りです。サイトピンの左右移動は、ブロック前方の固定ネジを緩め、ロッドを回転させて左右を調整するという、これも入門者向けサイトと同様の方式ですが、サイトピンは本体カラーとあわせた高級感のあるものが付属します。フード内のピンはロッドと同軸方向からの支柱の先端に樹脂製ドットがつく構造で、ロッドを回転させてもドットの支柱位置が変化せず、気にしなくて済む工夫がされています。サイトレールの目盛りはシールが貼られたものですが、スペアの目盛りシールも1枚付属しています。


 エクステンションバーの内部は、軽量化のためと思われるくり抜きがされています。なんとも手のかかった加工です。エクステンション固定ネジも本体と同じカラー加工されています。固定ネジ先端には樹脂が埋め込まれ、ネジの締め込みによりエクステンションバーが傷つかないようにする配慮もされています。

 サイト調整をダイヤル回転による簡易操作にこだわらないのであれば、初級者どころか中級者以上にも十分実用的な製品であり、お薦めだと思います。