PSE社の入門クラスのコンパウンドボウ、CHAOSです。入門クラスのコンパウンドボウでは、ドローレングス長の変更が大きくとれることが必須になりますが、CHAOSのFCカムでは16~27インチまで変更が可能になっています。ただし、競技用クラスのものより、調整幅の刻みは荒く、3/4インチから1インチ単位の変更となり、14段階に変更できるようになっています。FCカムは、2カムタイプのカムになり、ボウプレスを使わずに変更できるカムモジュールの位置変更により、様々なドローレングスに対応できるよう工夫されています。ストリングのバックストップやダンパー類は、低コスト化のため、すべてオプションとなっています。

 


 写真で「L」、「S」の表記個所にそれぞれ2か所のカムモジュール固定用のネジ穴がありますが、「S」側は16~19-1/2インチまでの短いドローレングス設定の際に使用します。

 また、カムにタイミングマークが異なる2か所についていますが、前方のマークが通常の設定位置になります。後方のマークは、FCカムの特徴である「grow with you」設定にした場合のタイミングマークになります。「grow with you」はバスケーブル位置をわずかに変更するだけで、ピークウエイトを10~15%下げることができます。ただし、それに伴いドローレングスも微妙に短い方向に変化します。

 


 カムモジュール位置は、モジュールのA~Jの11か所の固定穴と、カムの反対側にある「S」、「L」の固定穴との組み合わせで設定します。通常設定の場合のドローレングスは、A-L→27インチ、B-L→26 1/4インチ、C-L→25 1/2インチ、D-L→24 3/4インチ、E-L→24インチ、F-L→23 1/4インチ、G-L→22 1/2インチ、H-L→21 3/4インチ、I-L→21インチ、J-L→20 1/4インチ、G-S→19 1/2インチ、H-S→18 3/4インチ、I-S→18インチ、J-S→17インチに変化します。

 


 リムを組み込む部分は、ハンドルとの一体成型で、簡易なものとなっています。表面のざらつきから、ハンドル自体もダイキャスト製造と思われます。重量も3.2ポンド程度と非常に軽く、入門者には優しい設計になっています。ただし、カムのシンクロに敏感な2カムシステムであることには変わりはないので、頻繁にタイミングマークの確認をしておくことは重要です。