コンパウンドボウ  コンパウンドサイト  Cartel ALCON

 

 CartelのMidas Hunter サイトのバリエーションのひとつで、ターゲットコンパウンド用として発売した2015モデルがALCONです。安価でシンプルなCartel製サイトですが、これまでにもウォームギアタイプのサイトとして、リカーブ用、コンパウンド用として、いくつかの製品モデルがありますが、サイトブロックの取り外しができない、微振動が出てうるさいなど、少なからず価格以外のメリットが感じられなかったのは事実です。もっとも、国産メーカーのサイトでもSHIBUY製以外のウォームギアを使ったサイトでは、振動の出ないサイトは少ないと思います。ALCONは、振動対策としてサイトブロックの固定はもちろん、ウォームギアの回転軸も固定できるようになり、懸念材料がなくなったと感じられたため、つい食指を伸ばしてコレクションのひとつとしてしまいました。

 安価なCartel製サイトでは、サイトケースが付属していないものもありますが、これにはスタンダードなデザインのケースが付属しています。

 

 コンパウンド用サイトとして市販されているモデルでは、スコープは別に用意することが常識ですが、ALCONには他のCartel製サイトと同様、ネジロッドサイズがリカーブ用よりも一回り太い、スコープと同じ10/32サイズのサイトピンが付属しています。また、このサイトピンに使用するためのファイバーも色違いのものが3本、同梱されています。

 

 基本的なデザインは、従来のMidas Hunterシリーズとほぼ同様ですが、スコープマウントブロックとエクステンションバー並びにエクステンション固定ブロックは、これまでにない構造になっています。

 

 エクステンション固定ブロック部の構造です。エクステンションバーの固定位置ごとに個々の穴があるのではなく、固定位置は3箇所に設定されていますが、すべての位置がスリットにより連結されており、固定ネジを完全にはずさなくても、固定位置を移動できるようにしています。

 Cartelホームページの写真では、このスリットの長さがかなり長く、固定ネジを強く締め込んだ際に広がってしまう可能性があるのではないかと感じていましたが、実際の市販品で短くされたところを見ると、やはりそんな問題があったのではないかと想像される部分です。固定ネジの頭は、従来の一般的な円形のものではなく、CBE製ほど極端ではありませんが、そのアイデアをいただいたような、3つの突起のあるタイプとなっています。

 

 サイトレール部分です。エレベーションノブ脇と、スコープマウントブロック脇の固定ネジが目立ちます。まだ、実使用はしていませんが、各ダイヤルノブの動きは固めでしっかりしており、ガタツキは感じられません。

 

 スコープマウントブロック部です。下側の大きい目盛りはウィンデージノブに連動したサイト左右調整の目盛りですが、目盛り幅はノブの回転数と一致するほど厳密な設定にはなっていません。

 上側の小さい目盛りは、スコープ上下方向の3Dアクシス調整用の目盛りになります。

 

 スコープマウントブロック部を左側から見た様子です。右側の頭の黒い留めネジはブロック固定ネジで、これを緩めるとマウントブロックを取り外すことができます。

 左側の小さい目盛りは、スコープの前後方向の3Dアクシスを調整するための目盛りです。

 

  Cartel2015モデルの新型サイトは、スコープマウントブロックが取り外せるようになったことが、大きな変更点になりますが、Z型に加工した勘合部をネジで締め付けて固定するようになっています。

 

 コンパウンドでは、サイトレールとエクステンションバーの取り付け位置を変更する必要性は少ないと思いますが、とりあえず上下とも2カ所変更できるようです。

 

 付属のサイトピンとファイバーピンです。スコープマウントは、スコープホルダー形式の構造になっていて、外周が六角形のスリーブにスコープロッドをねじ込んで固定するようになっています。スリーブの六角形の一辺には細かい目盛りが刻まれていて、ホルダーに取り付ける際の目安にできるようになっています。

 

 マウントブロックにサイトピンを固定した様子です。仕上げは、お世辞にもよいとはいえないのは毎度のことで、ホルダー穴とスリーブ外周の加工が荒いため、かなり引っかかる感じで入るので、すぐに傷だらけになることが予測されます。