リカーブボウ  リカーブリム  Border HEX6W-BB2 Formula

 イギリスBORDER社の、Formula用HEX6W-BB2です。Formula用リムはHoyt製のものは当然としても、互換リムはMK korea製のほか、フランスUUKHA社が自社製品用にアダプター用意している程度です。一時、SFでも互換リムを計画していたようですが、SFブランドの消滅により今後の製品化は不明です。

 HEX6には、フォームコアとウッドコアの2種類あり、これはBorder社の得意とするウッドコアモデルです。BB2とは、オリジナルのHEX6を改良したマイナーチェンジモデルで、旧モデルのHEX5より大幅にねじれ剛性および矢速を向上させたとしています。


 Hoyt社やWin&Win社のリムを見慣れていると異様に思えるほどリカーブの湾曲が大きい形状のデザインになっています。リムの先端側1/3くらいの位置からリム幅が細く絞られていて、リムの全長を使って反発力を生み出そうとする設計であることが想像できます。同じヨーロッパ系のUUKHA社のリムもリカーブ部分が大きく湾曲した形状をしていますが、欧州のアーチャーの好みなのでしょうか。

 


 リムの側面はきれいな木目模様が模様が見えるようになっています。ウッドコアは0.7ミリ厚の素材を積層する方法で、リム先端に向かい徐々に薄くしています。

 


 リムのバット部は、カーボンシート模様の補強板が追加されています。Hoyt製リムにはこの部分にアッパーおよびロワースタビ用のネジブッシュが組み込まれていますが、Border HEX6にはそれがありません。


 同じMediumのサイズで、HoytとBorderを比較したものです。リカーブ部分の大きな湾曲と、リム先端部の細さがよくわかると思います。形状の違いもさることながら、68インチのHEX6では指定ブレースハイトが7.4~8.2インチ、ストリング長は66インチと、標準的なリムとは設定値が大きく異なるので注意が必要です。

 リムチップ先端部が90度以上反り返る特徴的な形状であるため、ストリンガーも通常タイプのものは使用が難しく、危険でもあります。リムチップではなく、リムのリカーブ部分を押さえるタイプのストリンガーが必要です。


 バット部の比較です。Hoyt製のものに対してBorder製は非常にシンプルです。カーボンシート模様は巧みにプリントされたものであったりするので、必ずしも内部構造を反映したものとは限りませんが、その違いは興味深いところです。


 68インチ用のストリングの長さは66インチが指定されていますが、実際の66インチの長さ(167.7cm)では、ブレースハイトが7インチ強にしかなりません。指定ハイト中間値である7.75インチになるようストリングを製作したところ165.8cmになりました。この長さは、68インチ用ストリングとしてはもっとも長いFormula用よりもさらに1/4インチ長く、市販の既成ストリングには存在しないサイズです。このリムを所有されている方はストリングの入手に苦労されているのではないでしょうか。

 68インチ用HEX6専用サイズのストリングを何本か製作しましたので、ご希望の方はオンラインショップからお求めください。

 なお、66インチ用は現物確認ができないため用意しておりませんが、ストリング長を正確に指示していただければ製作いたします。