リカーブボウ  リカーブリム  Hoyt Formula F3&F4

 

 従来のHoytリカーブアーチェリーのテイクダウン方式はHDS(ILF)と呼ばれ、Hoyt社のみならず他メーカーも含め新旧様々なモデルに採用されたため、ユニバーサル方式とも呼ばれていました。2011年、機構的には同様ながら、リムのバット部分を延長し、従来のシステムとは互換性のないこのFormulaシリーズの市販を開始しました。

 Formulaシリーズのスタート時は、ハンドルライザーのRXとウッドコアのF3、フォームコアのF4がラインアップされていました。ウッドコアリムのF2というモデルもありますが、発売は少し遅れて始まっています。

 

 ウッドコアのF3バック側デザインです。ロゴの左側にカーボンシートのような模様が見えますが、これは印刷です。F3とF4ではカーボンシートの利用方法が異なるらしく、F3ではリムに「DUAL LAMINATE CARBON TECHNOLOGY」とプリントされています。

 

 フォームコアのF4です。リムのプリントは、「CROSS WEAVE CARBON FOAM」とF3とは異なる表記になっています。

 

 Formula RXライザーの初期モデルは、GMXの初期型と同様、リムボルトが従来型と同じ固定式のものが装着されていました。そのため、初期型ではこのようにリムのバット部端がリムボルトの接触部と擦れあい、リムのクリア塗装が剥がれるようになってしまいます。後期モデルでは、リムボルトが可動式に、木製グリップがハイグリップに変更されていますが、特に可動式リムボルトはこのシステムにとって必須のものであったと考えられます。

 

 F4とF3のバット部およびフェイドアウトの様子です。F4は44ポンド、F3は40ポンドのリムなので、同じ比較はできませんが、F3のほうがバット端の厚みは薄く、デタントピン嵌入部分の枕の厚みも異なっています。後期型のライザーで可動式リムボルトが装備されたのと同時期に、リムバット端のリムボルト接触部には保護用のフィルムシートが貼られるようになったと聞きます。いずれにしても、システムが大きく変更された時の初期モデルは何かと不具合があるものですね。

 

 リムチップ部分およびリカーブ部分の様子です。

 このFormulaシリーズからリムチップ形状が大きく変更され、チップの頭が一体成型された小型のものとなり、ストリング溝もチップ側に若干移動しています。そのため、従来サイズのストリングよりも1センチ+α長いものが必要になります。

 リムの重さも重量感のあるものですが、厚みについても韓国メーカーのものに比較するとかなり厚くできています。

 

 リムのフェイス側です。バック側のデザインに比べてあっさりとしたものになっています。デタントピンの内側にはスタビライザー取り付け用のネジブッシュがありますが、これはリムの表と裏から円筒ビスとナットのような形で取り付けられています。スタビライザーを取り外す際に、一緒に外れてしまったので構造がわかりました。これも初期型の不具合のひとつと言えるかもしれません。