ストリング  サービング

サービングについて知っていますか

 サービングは、リカーブボウのリムチップ部分や矢をつがえてタブと接触してリリースされる部分などのストリング原糸の摩耗が予測される場所に、原糸を保護するために巻かれる保護糸のことです。保護だけではなく、エンドループを形作る役目もありますが、クラシックなロングボウではフレミッシュという編み込み手法で、原糸そのものでエンドループを形成しサービングを使用しない構造のストリングもあります。以前はナイロン製のものがサービング糸材料の主流でしたが、近年はストリング原糸と同様にHMPEを素材としたものも多種類が市販されています。耐久性は当然HMPE製のものが勝りますが、ナイロン製の感触の柔らかさにも捨てがたいものがあります。

 

サービング糸の構造の違い

 一般的な糸の構成は、繊維をより合わせて作った構成糸を、さらに何本かより合わせた構造で作られていますが、サービング糸でも同様の構造で作られたものがあり、より合わせた構成糸の本数で2ply、3plyなどと呼ばれることもあります。こうしたより合わせ構造のものとは異なるBraidedと呼ばれる編み込み構造のものもあり、単一素材で加工されたものと、芯になる繊維素材の外周に別の素材繊維を編み込んだ複合構造のものがあります。

 サービング糸の各製品ごとにさまざまな太さのバリエーションがあります。つまり、ストリング原糸も製品により太さが異なるためストリングのストランド数に影響しますが、最終的なセンターサービングのノックフィットを調整にはサービング糸の銘柄と太さの選択が重要になります。ほとんどのサービング糸製品には、その太さが明記されていて、0.14から0.26程度の太さが主流になっているようです。ストランド数が少ないストリングで適度なノックフィットを得るために太めのサービング糸を、多めのストランド数のストリングでは細めのサービング糸を使うことになります。

 

サービング糸の性能とは

 サービングの目的は、言うまでもなくストリング原糸の保護ですが、単に糸が頑丈で耐久性があれば良いということではありません。スペクトラ繊維が原料だった元祖FastFlight原糸は、原糸そのものが非常に滑らかであったため、サービング糸が定着しにくくサービング部分のズレが生じやすいことが欠点でした。FastFlight素材そのものをサービング糸にした製品もありましたが、強靭性は十分なものの、この滑らかさのためにセパレーションを起こしやすかった印象があります。このズレを生じさせないようにさまざまなサービング糸製品が開発されてきたわけで、一部の製品では糸同士が接着するような化学成分を含んだ加工もしているようです。ストリング原糸の強靭性については、十分以上に改良されてきているので、逆にいつ交換すればよいのか、判断できない状況になっているのも事実です。単に破断しなければよいというわけではなく、高密度ポリエチレン繊維の欠点であるクリープが生じてしまうと、期待した弾性性能を失い、アローフライトに影響を及ぼしてきます。そういうわけで、交換時期を判断するためのインジケータとして、耐久性が低めのナイロン製のサービングを使って劣化の時期を判断をすることも、ひとつの手法であると考えています。

Brownell MONOFILAMENT
Brownell MONOFILAMENT
BCY 350NYLON(.016)
BCY 350NYLON(.016)
BCY #2D(.016)
BCY #2D(.016)

BCY #62(.018)
BCY #62(.018)
BCY Halo(.014)
BCY Halo(.014)
BCY Halo(.019)
BCY Halo(.019)

Brownell #1D serving(.019)
Brownell #1D serving(.019)
Lovoskiサービング
Lovoskiサービング
Bayouモノフィラメント(.018)
Bayouモノフィラメント(.018)