リカーブボウ  リカーブサイト  SHIBUYA ULTIMA RC520

 競技用リカーブサイトのスタンダードといっても差し支えないほど多くのアーチャーに使用されています。若干、高価なのが難点ですが、サイト位置の固定にロックねじ操作が不要なことが一番の特徴です。サイトブロックを上下にスライドさせるドライブシャフトには、その光沢から(たぶん)チタニウムが使われていて、複雑な構造にも関わらず、非常に軽量であることも好まれる理由の一つであると思われます。数少ない国産のサイトであることに加え、すべてのパーツが補修部品として入手可能なので、この点でも安心感があります。ただし、パーツも非常に高価です。


 このサイトの心臓部ともいえるサイトブロックの固定機構です。ジャンプレバーと連動した、前方中央に飛び出しているロッキングブロックが、エレベーションドライブシャフトに常時ばねの圧力を加えているため、後方左右のとがった樹脂パーツとエレベーションバーが噛み合うことにより、ガタツキのない固定が可能になっています。ターゲット距離を変更する際、ジャンプレバーを使用していれば問題はないのですが、エレベーションダイヤルを頻繁に使用する場合は、ロッキングブロックの摩耗が早く進行するようです。


 サイトピンの左右を調整するウィンデージの調整範囲は、必要最低限といったところであまり大きく動かせません。調整範囲を外れた場合でも、ブロック中央の六角ねじを緩めることで、サイトピンのロックを解除できるので、再調整は難しくはないのですが、インドアとアウトドアでアローシャフトの口径を変える場合は、不満を感じるかもしれません。サイトピンのシャフト長は、他のメーカーのものに比較して短めになっています。サイトピンのドット部は、昔ながらのペイントボールで、光透過型のファイバーにはなっていませんが、リング内に差し込む形式になっていますので、破損しても内部だけ交換可能です。


 サイトブロックをエレベーションバーのウォームギア構造により移動させるタイプのサイトは、他のメーカーからもいくつか製品化されていますが、サイトレールの全長にわたり正確な篏合精度を保っている製品は少なく、中央部と末端部で感触が変化してしまうものがほとんどです。このサイトでは、エレベーションドライブシャフト周囲をサイトレール本体となるエレベーションバーが立体的に覆うような構造であるため、ドライブシャフトとサイトレールとの距離が正確に保たれ、ガタツキが生じる心配もありません。

 


 サイトエクステンションを固定するマウンティングノブです。ねじ部分は、スタビライザーの取り付けねじと同サイズの5/16-24ピッチになっているため、収納する際にノブをスタビライザーブッシュに差し込んでおくこともできます。